梅干しでのトレンドは「低塩タイプ」。ベルクでは小粒で塩分濃度の高い梅干しを多く販売していたこともあり、梅干し担当のTバイヤーは「低塩の食べごたえのある梅干しを作りたい」と意気込み、行動に出た。そこで最初にTバイヤーを悩ませたのが「塩分を下げること」。塩分を下げるということはつまり、品質管理が難しくなるということだ。工場での温度管理など、品質の維持をするためにワンランク基準を上げることにした。

だが、塩分を下げれば物足りない味になってしまう。「バランスが大事だ!僕(Tバイヤー)の人生のように(笑)」。それから、酸味、甘み、塩味との格闘がはじまる。苦労の末、「しそ風味」と「はちみつ味」の2つの味にたどり着くのだが、これもTバイヤーの優れたバランス感覚によるものだと社内では評判になっている。ちなみに梅のサイズも味を左右すると考え、食べ応えのあるサイズに変更しているのです。
試行錯誤の上、仕上がった試作品を早速、幹部に試食してもらうと「黄金比とかって商品名にすればいいんじゃない?」とアドバイスがあり、「酸っぱさ」「甘み」「低塩」のバランスにこだわったことも強調したいという想いから「酸・甘・塩の黄金比梅干」という商品名に決定。

そんなたくさんのこだわりが詰まった自慢の梅干しを発売すると、手頃な価格とそのちょうどいい味わいでお客様から「とても美味しかったです!」という感動の声をいただき、なんと一時的に大欠品を起こすほどの売れ行きになったのである。Tバイヤーは嬉しい悲鳴を上げた!
「酸・甘・塩」の黄金比梅干・・・皆さんは読めただろうか?この記事担当のNは「さん・あま・しお」と読んだが、正しくは「さん・かん・えん」だそうだ。Tバイヤーは「正しく読んでくれる人は少ないんですよね」「僕も黄金比梅干って呼んでます」と照れながら答えた。
そんなお茶目なTバイヤーがこだわりぬいた「酸・甘・塩の黄金比梅干(しそ風味・はちみつ)」をこの記事をここまで読んでくれたそこのあなたにぜひ味わっていただきたい!