7月某日、暑さがまだまだ厳しい中今回訪れたのは鹿児島県枕崎市。
こだわりのかつお節を作られている光景とかつおの水揚げがされる枕崎漁港を見学させていただきました。
本日は晴天の最中、何をしているかといいますと。
— ベルク(Belc) (@belc_jp) July 27, 2022
鰹の水揚げの様子見に来てます🐟🐟 pic.twitter.com/zZvfEG4uBP
水揚げされた鰹がものすごい勢いで仕分けされていく様子🐟🐟
— ベルク(Belc) (@belc_jp) July 27, 2022
見てて圧巻な光景です!! pic.twitter.com/oR3OKnfvzD
かつおが流れてくる勢いがすごいです!
皮目を削って次々と来る鰹の脂乗りを確認していきます!
— ベルク(Belc) (@belc_jp) July 27, 2022
漁師さんの長年の経験から数秒単位でさばいていってます🐟#音量はご注意くださいませ pic.twitter.com/rNPsvt8Pfn
長年の経験から数秒単位でさばいております。
このかつおの脂分チェックはとても大事な工程。
実はかつお節用のかつおは「脂が少ないかつお」が最適なのです。
脂の多いかつおを使用してしまうと、削り節にした際にボリューム感がなくしんなりしてしまい、変色や風味の劣化を早めてしまう恐れが。
そのため、現在日本で作られているかつお節のほとんどは赤道近い南方の海域で獲られたかつおを原料に使用しております。
トン単位でたくさんのかつおが水揚げされていました。
今回は4.5上の大きさをメインに加工していきます。
かつお節には大きく分けて「荒節(あらぶし)」と「枯節(かれぶし)」があり、この後製造過程に沿って説明しますが、解凍から焙乾(ばいかん)までの工程で出来上がったものを「荒節」、さらに表面を削り、カビ付けなどの工程を加えたものを「枯節」といいます。
さらに細かく分けていくと2回以上カビ付けした節を「枯節」、地元枕崎市の組合では3回以上カビ付けした節を「本枯節」といいます。
今回、くらしにベルク「ごはんのおとも(極)」に使用しているかつお節は「本枯節」。手間のかかる素材を使用した、こだわりの商品なのです。
こちらで「本枯節」が製造されております。
最初に冷凍されたかつおを解凍する作業から始まります。
かつおを解凍する際は、食中毒の原因であるヒスタミンが出ないよう、水温は4℃をキープしながら水を定期的に交換、徐々に解凍をおこなっていきます。
かつおの解凍の様子。大きなコンテナに何匹ものかつおが入っています。
機械を通してかつおの頭や内臓などを除去していきます。
解凍されたかつおの大群。手際よく加工されていきます。
実はかつお節にする前にかつおを煮るとのことで私も驚き!
かつおを煮ることによって煮沸殺菌をおこない、腐敗を抑制することができるのだとか。
またたんぱく質が変性、脂肪分が除去されることによって、次工程の焙乾(ばいかん)の際に乾燥させやすくする効果もあるそう。
こちら実際にかつおが煮熟(しゃじゅく)される場所。湯気からも熱さが伝わります。
ひとつひとつの金網丸ごと煮熟(しゃじゅく)されていきます。
「骨抜き」の工程では人の手でひとつひとつピンセットのような器具を使用してかつおの骨や鱗を除去していきます。 それにしてもこのスピードと手際の良さ、職人技を感じますね。
見てください!この手際の良さ!ひとつひとつ丁寧に骨を取っていきます。
このいぶす工程ひとつとっても、1つの部屋で薪を燃やし、薪が燃えた熱と煙をファンで吸い上げ、直接かつおに当ていぶしていく「焼津式焙乾庫」や「急造庫(きゅうぞっこ)式焙乾庫」を活用し地下もしくは1階にて薪を燃やし、2~4階にて上がってくる熱と煙によって燻製していくいぶし方があります。
「焼津式焙乾庫」は煙を当てることによってかつお自体の色目を良くする、「急造庫(きゅうぞっこ)式焙乾庫」では香りを一層よくするために燻製を重視して夕方に火を止めて水分を内部拡散させるといった技法があります。
こちらではまず1番火で「焼津式」を採用し、しっかりといぶしていきます。そうすることでスキ(身割れ)を防ぎ、臭みが出ることも防ぐことが可能なのだとか。
特別に「焙乾(ばいかん)」の工程を見させていただくことに。
開けた瞬間、煙がもわもわ立ち込めているのがわかります。
広葉樹を使用することによって長時間いぶすことが可能になります。
この荒節にカビが付きやすいよう表面のタール部分を削り、形を整えたものを”裸節“、裸節にカビ付け・乾燥を最低2回繰り返したものを「枯節」、地元の組合では3回以上カビ付けしてはじめて「本枯節」と呼ばれています。
「本枯節」完成までの道のり、まだまだ遠い。それだけ手間のかかる商品なのです。
このまま削って食べても美味しそう。
つくられる場所によっても異なりますが、今回は温度28℃、湿度90パーセントの環境にて1番カビ付けをおこなっていきます。
この段階で「カビ付け」という名の通り、「カビ」を裸節に噴霧してつけていきます。実はこの菌が納豆菌の次ぐらいに強い菌で、この菌の力によって、保存がきくようになったり、旨味が増したりと”いい効果“をもたらしてくれる大事な菌なのです。
「カビ付け」を行っている倉庫。
皮目を見てカビの状態を確認していきます。
今回のカビ付けは“4番カビ”まで実施。地元の組合では「本枯節(枕崎かつおぶし)」には”3番カビ”以上のカビ付けが求められ、ブランド維持のため、高い基準を設けております。また、今回はカビ付けの工程が1段階ごと終わるごとに”天日干し“を実施。
ゆっくり天日干しを実施することによってかつお節の身割れを防止、かつお節の持つ香りをしっかり立たせるなどの効果があるそうですよ。
白いカビも茶色くなり、“枯節らしさ”が出ています。
「荒節と本枯節だと音にも違いがあるんですよ」と立石さん。
みなさんはこの音の違い、聞き分けられますか?
「本枯節」完成までの長い道のりを追ってきましたが、枕崎の本枯節は実はかつお節全体の生産量の“2%”しか取れないというとても貴重な存在。
本枯節の魅力についてお伺いした際には「風味がよくて雑味がない、上品な味わいなので、ぜひ皆さんには香りとともに楽しんでいただきたい」とのコメントをいただきました。
ああ、早く私も味わってみたい!!
かつお節「本枯節」の製造過程はここまで。このあと場所を愛媛に移動し、ここで製造した本枯節を“削って”いきます!!
記事はこちら>>
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。